こんにちは、めたぼザビでございます。
さっそくですが、皆様の今のキャリアパスを決定づけた出来事はなんでしょうか?
私に関していえば、間違いなく高校時代の学校生活&寮生活といえます。
もし、この期間が痛切なものでなかったならば、もう少し簡単に東大に入っていただろうし、留学もしてバリバリ働いていたと思います(現実の私は一ヶ所留学を蹴っています)。
見方を変えれば、社会のシビアな部分を事前に教えてくれた場であるとも言えます。
誤解なきように申し上げておきますが、今私は人生でピークと言えてしまうくらい幸せなのです。
自由に会いたい人に会えて、大切な人に真摯に向き合えている今の選択に後悔はありません。
というわけで、今回のトピックは笑い話、エンタメ感覚でご覧いただければ、と思います。
(ノンフィクションでお送りいたします。)
お子様がいらっしゃる方で、寮生活が気になっている方がいらっしゃれば、1mmくらいは参考になるかもしれません。いや、ならねえか。。。
学校および寮の立地
日本のとある県の山間部にございます。
高速道路のサービスエリアが徒歩圏内です。このあたりで立地面でのやばさを感じていただけると思います。
学校の近くには駄菓子屋が一軒あるのみです。
最寄りのコンビニはセブンイレブンで、歩いて30分かかります。
持ち込み禁止物
この手の寮にはだいたい持ち込み禁止物があります。
ここの寮の持ち込み禁止物で、代表的なものとしては、携帯PCスマートフォン、ポットなど熱を発するもの、トレーディングカードゲーム、モニターやゲーム機、ゲームソフト、ナイフ類、扇風機など空調設備、18禁のもの全般、といった感じです。
中でもトレーディングカードゲームに関してはシビアで、その場で破られて捨てられます。
これは、今のSNS時代だとやばい匂いがぷんぷんするので、もしかしたら緩くなっているかもしれません。
起床後のグラウンド点呼
だいたい朝7時にけたたましい音楽が鳴って全員たたき起こされます。
これに気づかず眠っている猛者も中にはいますが、眠りたくてそうしているわけではありません。
理由は後述します。
起床から10分後、隣接しているグラウンドで点呼があります。
点呼の目的は、全員起きているか、脱寮者がいないかチェックすることです。
(画像はイメージです。こんな生易しいものではありません)
その後君が代が流れて、ラジオ体操第一をこなします(昭和前半かな?)。
ラジオ体操が終わったら、7時半から朝食です。
20分弱時間があるので、身支度をします。
同時にこの時間帯に、点呼に遅刻した人、来なかった人へのお仕置きが執行されます。
罰の内容は、ランニング、サーキット運動、靴箱や共用スペースの掃除など多岐にわたります。
とくにランニングは往復2km弱あるので、足が遅い人はもれなく登校準備が遅れます。
足が速い人にとっては罰にならないので掃除など別の内容が課されます。
つまり、各生徒の弱みを握った罰が与えられる、ということです。
これが、誰もがグラウンド点呼をサボろうと思わない理由です。
体罰だ!と思われる方もいるかもしれませんが、体罰がタブーなのは学校での話で、寮は無関係なのが世の中の悲しいところでございます。
学校とは別に設定された「最終登校時刻」
朝食を済ませたら、いよいよ登校です。
学校の遅刻ラインとは別に、寮を出なければならない「最終登校時刻」が設定されています。
この時刻を割ると、点呼の罰からランニングを除いたものの中からいずれかが課されます。
ランニングがないからマシかと思いきや、この罰の真の恐怖は「この罰を受けるともれなく学校に遅刻する」ことにあります。
当然出席簿に遅刻ポイントが刻まれるので、負の連鎖を当然のごとく背負う仕様となっております。
グラウンド点呼の罰でランニングを食らう→準備が遅れる→最終登校時刻を割る→学校に遅刻する、は朝の邪道コンボだったんだ。
放課後の過ごし方
放課後になると、帰宅部の人は寮に戻り、部活の人は部活に行きます。
19時から学習時間なる、強制で勉強をする時間帯になるので、風呂や夕食は19時までに済ませます。
風呂
風呂はまったく業者の掃除が入らないので、浴槽に入るのは無謀です。浴槽の掃除も課されず荒れ放題なので、みんなシャワー利用にとどめます。
後述する地獄が待っているので、帰宅部の人はなるべく18時までに済ませます。
シャワーの台数は50基もなく、全生徒数を考えると明らかに少ないです。
冬場にボイラーが壊れて水を食らうこともありました。
とはいえ、寮の中で唯一お湯を利用できる場所です。洗面所ではお湯を使うことができません。
夕食
18時から夕食をとることができます。
19時まで開放されているのであとででもいいや、と思うかもしれませんがそうもいきません。
同じクラスにいた理事長の姪の鶴の一声で、温蔵庫が設置されてしまったのです。
(こんな感じのデカい版です。)
温蔵庫が設置されること自体は何も悪いことはなく、むしろ温かいおかずが食べられて嬉しいのですが、なんとすべてのおかずプレートにラップがされていません。
想像に難くないと思いますが、時間がたつとおかずがもれなくパッサパサになります。
水分がすべて持っていかれて食べられたものではありません。
なんとこの理事長の姪、長い時間食べないごはんにはラップをするという基本のきを想定できない残念なお人だったのです。
この温蔵庫が設置される前は、各自でラップをし、電子レンジで温めて食べる、というシステムでした。明らかにこちらのほうがおいしいご飯が食べられたのです。
トップがアレだとみんな苦労するのはどこも同じかぁ。
地獄の18時台
さて、18時になると部活勢が寮に戻ってきます。
彼らは寮に戻ってから食事と風呂をこなすことになります。
どうなるかというと、風呂が地獄の混み具合になります。
こんな感じでシャワーがついています。
当たり前ですが、一般的にはシャワー1基につき椅子は一つです。
しかしなぜか、入口に椅子が大量にあるのです。
はい、18時台はこの狭い空間にて、シャワー1基に対し2人座り、シェアして利用します。
2人ならまだマシです。だいたいは、後ろにもう一人がジョジョのスタンドのように立っており、3人でシェアすることが多かったです。
そして極めつけに、大人数ゆえのシャワーの水圧の弱さが深刻になります。
このままではシャンプーの泡が流れません。
どうするかというと、シャワーヘッドを外し、水を収束させることでなんとか最低限の水圧を確保します。
食堂は浴場ほどは地獄ではありません。
中には汗臭い人もいますが、広いので何とかなります。
深刻なのは、温蔵庫がついたせいで、それまで風呂→食事だった人も食事→風呂の順になってしまったので、浴場の混み具合がますます地獄になった、ということでした。
外出時の銭湯が格別でした。
19時からの学習時間
寮監の監視下に置かれる
19時から23時までは集団自習室みたいなところで学習を強いられます。
真ん中に少しだけ休憩時間があります。
学習時間中は寮監が巡回しています。寝ていると起こされます。
私はよく仮病を使って居室で横になっていました。
他のみんなもそこまで勉強していなかったと思います。
していたらほぼほぼ志望校に受かっているでしょうから。
もしやっているのにダメだったらそれはもう学校の課題が悪いとしか思えません。
学年が上がると個室になりますが、ドアに独房さながらののぞき窓がついておりやはり監視されます。部屋を移動して友人と喋るのはもちろんアウトです。でもやります。
(こんな感じです。)
のぞき窓をポスターなどで塞いでいると、学習時間だろうが自由時間だろうが寮監が「目張りとれ!」と突撃してきます。
プライバシーなんてものはありません。
音楽を聴きながら学習はできない
イヤホンで聞くのも禁止です。寮監に見られたら取れといわれます。
中にはこんな風に袖からイヤホンを通し、これを耳に当てて肘をつくスタイルで机に向かう人もいましたが、疑わしきは罰するの世界なのでこれも通用しません。
私は個室になった際、スピーカーから極小音量で流していました。
音漏れ検証もしたのですが、なぜか寮監が入ってくることがありました。
この辺は勘なのでしょうね。
大学生になってから、UsherのConfessionを流しながら勉強できた時の快感は今でも忘れません。
こんな感じで一日が終わります。これを繰り返します。
散歩、外出、外泊について
「散歩」と「外出」の違い
「散歩」は、サービスエリアまでの圏内なら毎日私服で出歩くことが可能、というものです。
最寄りのセブンイレブンはこれより遠いため許されません。
「外出」は、土日限定で門限までに戻ってくればどこまでも行ける、というものです。
ですが、制服着用義務があるのと、門限が17:30というめちゃ早時刻により利便性はよくないです。
外出前に届出をする必要があります。せいぜい映画を見られる程度のものですが、私にとっては生命線でした。
友人の家に泊まるときは天国
外泊も届け出をする必要はありますが、日曜の17:30までに戻ってきさえすれば、服装や行動範囲の制限は一切ありません。
とはいえ私の家は飛行機圏内だったため、長期休暇を除けば帰ることはありません。
宿泊先を明記したうえで許可が下りなければならないので、都市部のホテルに泊まって週末を満喫する、なんてことはできません。
(例外的に、模擬試験を受けた日だけ許可してもらえました。)
この地獄をたまに解放してくれるのは、友人の家に泊まるという神イベントです。
普段の生活で友人に勉強を教えるというだけで親御さんには非常に感謝されます。やさしい世界です。
おいしいご飯が出る、ゲームもできる、学習時間がない、夜出歩いても怒られない、と何でもござれ。
一晩だけ仮出所するような気分です。
シャバの空気と飯はうまいぜえ。
当時の方々にはいくら感謝しても足りないくらいです。
あまりの生活環境の違いに、週末は帰省する人が続出でした。
中学時代の寮はもう少し自由だったので、帰省する人はほぼほぼいませんでした。
この点が非常に対照的だったとおもいます。
罰の内容がそこそこひどかった
寮監は全員、剣道や柔道でインターハイ出場経験があるような、ゴリゴリの体育会系です。
ですから、何かやらかしたときに「もみじ」を食らうのは日常茶飯事です。
「でっかい花、咲かせてやろうか」と寮監が嬉々としてやっていたものですから始末に負えません。
私が最もつらかったのは、とある罰掃除の後でした。
雑巾を絞って返したところ、寮監が床に向かって雑巾をしぼりはじめます。
彼はゴリゴリの体育会系なので握力が強く、もちろん水が床に滴り落ちます。
そこで彼はこう言うのです。「水で汚れた床を掃除して雑巾洗って絞って返せ」と。
そう、これは無限ループなのです。返した後また彼は雑巾を床めがけて絞り始めました。
この一連の流れを2時間ほど繰り返させられた時には気がおかしくなるかと思いました。
しかし、この寮監は数週間後交通事故を起こし、警察からの逃亡劇の末、逮捕され辞職していきました。ワキガもすごかったのでホッとした記憶があります。
腕立て〇〇回みたいな罰はこれに比べれば100倍マシでした。
とはいえ、罰一つとってみれば、スポーツ校の部活と比べると楽な方なのでしょうけれどもね。
そもそもなぜこんな学校に入ったのか
カタログを見たらそう悪くは書かれていなかったこと、特待生で授業料と寮費が免除だったことが理由です。
自分が浅はかだったなと感じる部分がたくさんありました。
冷暖房「完備」
大きく反省している点を一つ挙げさせていただくと、冷暖房に関することがあります。
北国出身の私にとって、冷房の有無は死活問題でした。
カタログにはこうあったのです。冷暖房「完備」と。
これはめずらしい表記ではなく、寮のカタログにおいてはよく使われる表記です。
ですが、これが大きな罠であったことを入学後に知るのです。
空調は集中管理されていました。つまり、完備されている(使えるとは言ってない)、という状態だったのです。
おとなしく従うわけもなく、勝手に事務室に忍び込んで管理解除スイッチを押すこともありましたが、例外的に空調設備の持ち込みを許してもらうことで落ち着きました。
ここで私は、危機管理の重要性を学びました。
昨年家を売った際に、解体費用の100万円減額に成功しましたが、これは知識を身につけた上で疑ってかかった結果です。
当時の経験が今に活きているので悪いことばかりではなかったなと思います。
同情しなくてもいいから風をくれ!
親が出てきたもの勝ち
生徒の保護者は学校最大の出資者です。
子供同士の小競り合いであっても、親が出張ってきたほうが勝利、出張ってこなかったほうの子供が10-0で悪者にされます。
出資者は無理難題をおっしゃる。
同じ部屋の生徒ともめたのが発端
当時私が競り合った相手は、地元でいくつもの檀家を抱える大きなお寺の住職さんの子でした。
さらに、その土地では珍しく東大卒ということで、学校や地元の人たちから尊敬を集めていたのです。
一方私のほうはというと普通の公務員、かつ遠方なので出張ってこれないという状況にありました。
その住職さんの手回しにより、学校全体や地元の保護者たちすべてが敵になる状態が出来上がりました。子供の口喧嘩から発展するには異常な事態です。
お隣の県から来ている友人はかわらず仲良くしてくれましたが、地元の子たちは親に言い含められているのか、そうはいきませんでした。
自分の主張を通すだけの子供時代は15歳をもって幕を閉じました。
盗んだバイクでは走りませんでした。そもそも寮を出られないので。。。
まずは地元の子たちを調略
調略、といっても本質を理解してもらうだけでよかったのです。
彼らも15歳という自我が立派に存在する年齢です。どこに原因があるのかなんてすぐにわかるものです。
今でも現地に行くと歓待してくれるありがたい存在です。
癒着した大人の攻撃をかわす
まずは挑発に乗らないことを優先しました。
閉じられた場所で、大きく動かせるお金もない一介の学生に、できることはほとんどありません。
何か発言しようものならその言葉尻をとらえられてガミガミ攻撃されます。
なので、不用意な発言を控える努力をしました。
しかしそれでもやられるときはやられます。
この学校には、同窓会室、という普段は鍵のかかった取調室みたいな部屋があります。
そこで延々と、担任や生徒指導部長、校長、教頭に、反省を促され、反省文を書かされるのです。
当然授業は受けられません。
時にはクラスの皆の前で謝罪会見をすることもありました。
今考えても誰得だったのかわかりません。
外の世界に出て気力を取り戻す
気分転換に、夏休みや冬休みにて、大手予備校の合宿制の講習に参加しました。
外の世界の人たちとの交流によってだんだん気力を取り戻していき、なんとか志望校に合格することができました。
私を追い詰めたのも人なら、救ってくれたのも人なのでした。
高校を卒業してからも、教師陣を恨んでいました。
卒業後に参列した先生の結婚式では、同じく出席していた教師陣と口論になり彼らの全面謝罪となりました。そんなもので心は全く洗われなかったのですが。
しかし、大学在学中に働き始めて様々な人と触れ合うことで、いかに彼らが矮小な人間だったかを知ったのでした。
そして同時に、そんな人たちに囚われている自分を深く恥じたのです。
今では彼らを恨むどころか、彼らも久々に会うとかなりお歳を召しており、哀れみさえ覚えたくらいです。これからも健康でいてほしいと願っています。
なぜか、エネルギーのなくなった彼らを見ていると、わけもなく悲しい気持ちになったんだ。
卒業後、自由のありがたみを実感
自由であると、心の余裕が生まれます。
過去を顧みて自分を取り戻すことができたのは、この余裕があったからに他ならないと私は考えています。
今では、私に危機管理能力をもたらしてくれたこの学校と寮に非常に感謝しています。
なお、あまりの環境のひどさに、この学校の大学進学後の留年率は6割に上っていました。
皆、自由とのギャップに自分を律することを忘れてしまったようでした (笑)
現在の寮の状況
余談ですが、学校のホームページを見ると、大幅にアップデートが入っているようです。
洗面所でお湯が出るようになっていたり、シャワーが増設されていたり、洗濯機の上天井に乾燥機が設置されたり、トイレがウォシュレットになっていたり、と様々な設備改善が図られているようです。
今は令和、SNSの時代です。当時の環境であればすぐに広まります。さらには、ALTの先生も一緒に寮に住んでいるようです。
というわけで、過酷な環境をアップデートしなければならない状況に追い込まれたのだと思います。
あとは寮監の質だな。
喜ばしいことなのになぜでしょう、無性に寂しい気持ちになるんですよね (笑)
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は過去の体験談について書かせていただきました。
思った以上に長くなってしまいすみません。
とはいえ分ける価値もないと思いましたので、ご容赦いただきたく思います。
ここまで書いておいてなんですが、寮生活自体は大変有意義なものだという確信があります。
ただ、高校時代の寮の規則が厳しすぎたのと、私が現地の大人たちとそりが合わなかったのが噛み合ってしまいました。
現に中学時代の大人たちとは何ももめてませんし、寮生活自体も毎日が楽しかったです。
楽しすぎたがゆえに「このままだと大学受からない!」と思って学校を替えました。
寮生活へのフォローをしつつこの記事を締めたいと思います。
ご精読ありがとうございました!
コメント
はじめまして、動画から来ました。
同じ札幌に住んでいて、自分がいま目指しているFIREを既に達成されている「先輩」ということで勝手に親近感を抱きました。
自分は今春からブログをしていますが、ザビさんのブログははじめたばかりなのにしっかりした文章で驚嘆しています。ブログや資産運用など、いろいろと参考にさせてもらいます。
コメントありがとうございます。
ブログも資産運用もまだまだ白帯だと自分では思っているのですが、非常にありがたく思います。
これからも当ブログをよろしくお願いいたします!
こんにちは。
娘が本庄早稲田の寮に入るかどうかで悩んでおりましたので、大変参考になりました。
なにより、楽しく読ませて頂きました!
ありがとうございます。
コメントありがとうございます。
ご参考までに申し上げておきますと、女子寮はどこも大体設備がいい印象です。
ゆえに私のような過酷さはないかと存じます。
ご選択の一助となれば幸いです。