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[役立つ思考法]整数問題の解法についてお話しします。

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こんにちは、めたぼザビです。
今回は、初めての数学に関する記事となります。
整数問題の分野自体は、高度な式を必要とせず、パズル感覚で解けるものが多いです。
解ききるための方法はいくつかあるのですが、意識することは一つだけです。
独特のポジションにいるので、受験生を悩ませる分野でもありますが、大人になってからこの思考法が役立つことが非常に多かったです。

めたぼ=ザビ
めたぼ=ザビ

僕自身は好きな分野で、きっちり合格にも貢献してくれました。

他の選択肢を消すことを意識する

先ほども申し上げましたが、整数問題で意識することは一つだけで、「他の選択肢をつぶしていく」ことに他なりません。
この考え方は、人生に迷った時に大いに役に立ってくれました。
その結果が「働いたら負け」であったことはなんともいえない皮肉なのですが笑

めたぼ=ザビ
めたぼ=ザビ

これ以外にも、大きな決断から細々した小さな決断に至るまで貢献してくれました!

一部資格試験でもこの考え方が役に立つ時があると思います。

整数問題の解法

具体的に、整数問題の解法を見ていきたいと思います。
整数特有の性質を使うことが多いため、考え方の本質に必要なものは、小学校の算数ですべて揃います
式の変形や定理の利用など、解ききるまでの実際の作業に対して、中学や高校で習った数学の知識が必要になります。
この性質から鑑みると、中学受験組にとっては抵抗のない分野なのかなと思います。

めたぼ=ザビ
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僕が現役受験生の時は、整数の分野は教科書の単元になっておらず、対策していない学校も多かったんです(わが校含め)。
今では単元化されているので、難易度はマイルドになったといえるかと思います。

不等式を用いて範囲を絞る

例えば、\(\displaystyle x^2+6xy+12y^2=13\) を満たす整数 \(\displaystyle (x,y)\) を求めるとします。このとき、この等式は、$$(x+3y)^2=13-3y^2$$と書き換えることができます。
ここで、左辺に注目すると、実数の2乗になっていますから、左辺は0以上であるとわかります。
というわけで、当然右辺も0以上であるわけです。
つまり、\(\displaystyle 13-3y^2≧0~~\Leftrightarrow~~y^2≦\frac{13}{3}\) となり、yの候補は、\(\displaystyle y=\pm2,\pm1,0\) とわかります。
あとは、候補のyをすべて代入してみて、xが整数であるものが存在するか否かを確かめればOK、というわけです。
今回は2乗が0以上である、という条件を使いましたが、他にも、2乗根(いわゆる√)の中身が0以上のようなものもあります。

あえて大小関係を自分で作り出すこともある

問題のレベルが上がると、対等な文字に対してあえて大小関係を与えて切り崩す場合があります。

例えば、\(\displaystyle a+b+c=abc\) を満たす正の整数 \(\displaystyle (a,b,c)\) を求める場合です。
このままだと絞るのが難しいですが、\(\displaystyle a≦b≦c\) といったん大小関係を付けてあげることで、$$3a≦a+b+c≦3c$$となるから、\(\displaystyle 3a≦abc≦3c\) すなわち$$3≦bc~~かつ~~ab≦3$$となります。
これでかなり候補が絞れると思います。最後の最後でa,b,cの大小関係を取り払って答えを列挙していくことになります。

かけ算の形にする

例えば、\(\displaystyle x^2+6xy+8y^2=60\) を満たす自然数 \(\displaystyle (x,y)\) を求めるとします。不等式をつくる前頁のやり方でいくと、$$(x+3y)^2=13+y^2$$となってしまい、先ほどのように右辺を不等式で挟み込むことができません
というわけで、違うアプローチを用います。この等式は、$$(x+2y)(x+4y)=60$$と書き換えることができます。
さらに、xとyは自然数であるから、\(\displaystyle x+2y≧3\) であり、\(\displaystyle x+2y<x+4y\) です。
加えて、$$x+2y~と~x+4y~の和は、(x+2y)+(x+4y)=2(x+3y)$$(スクロールできます)
すなわち偶数となるから、x+2yとx+4yの偶奇は一致します。
これらを考慮すると、候補は、$$(x+2y,x+4y)=(6,10)$$のみとなります。

めたぼ=ザビ
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候補の段階で、一つまで絞ることができましたね!

素数との組合せで利用することが多い

素数とは、2以上の整数の掛け算の形で表せないものをいいます。
すなわち、素数pは自然数A、Bを用いて、p=A×Bのように表せたとき、AまたはBのどちらか一方は1で、他方はp、ということになります。

例えば、\(\displaystyle xy+x+py=0~(pは素数の定数)\) を満たす整数 \(\displaystyle (x,y)\) を求めるとします。
まずはxでくくってみましょう。そうすると \(\displaystyle x(y+1)+py=0\) となります。
次に、無理やり(y+1)を作り出します。そうすると、\(\displaystyle x(y+1)+p(y+1)-p=0\) すなわち$$(x+p)(y+1)=p$$となります。右辺pが素数であるから、\(\displaystyle x+p~と~y+1\) の候補は、$$(x+p_{~,~}y+1)=(1,p),(p,1),(-1,-p),(-p,-1)$$(スクロールできます)
となります。

役に立つ性質、定理

互いに素

「aとbが互いに素である」とは、「aとbの最大公約数が1」ということです。
例えば、\(\displaystyle x~と~y~が整数のとき、7x=8y\) が成立しているとします。
このとき、7と8は互いに素であるから、xは8の倍数で、yは7の倍数であるといえます。

二項定理

$$(a+b)^n=\sum_{ k = 0 }^{ n } {}_n \mathrm{ C }_k・a^{n-k}b^k$$を二項定理または二項展開と呼びます。
これによれば、$$a^n以外の項は~a~の倍数、b^n以外の項は~b~の倍数$$(スクロールできます)
であることがわかります。
どのように利用するかというと、例えば\(\displaystyle 2^n\)を3で割った余りを求めたいとします。
nを代入してみると、2,4,8,16…となり、3で割った余りは、2,1,2,1,…となります。
よって、nが奇数のとき2で、nが偶数のとき1なんだろうなと目算はつきますが、確定だとは言えません。
このとき、二項定理を用いると、$$2^n=(3-1)^n=(3~の倍数)+(-1)^n$$と表せるので、nが奇数のとき余りが2、nが偶数のとき余りが1、と確実に言えます。

まとめ、あとがき

いかがだったでしょうか?
以後、整数問題の演習を扱った記事を投稿することがあると思いますので、興味のある方はご覧いただければと思います。
ご精読ありがとうございました!

 

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