リカレント数学高校数学

[★★☆]x^2+y^2+z^2=(r^2+2)/3、x+y+z=r[整数問題2]

リカレント数学
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こんにちは、めたぼザビです。

今回は、整数の問題演習になります。

例によって、スマホは式を横スクロールできます。

めたぼ=ザビ
めたぼ=ザビ

前回より少し難しいですが、基本に則って処理していきましょう!

設問

\(\displaystyle r\) が自然数のとき、連立方程式$$\begin{align}&x^2+y^2+z^2=\frac{1}{3}(r^2+2)&&…① \\&x+y+z=r&&…②\end{align}$$を満たす整数\(\displaystyle (x,y,z)\)の組を求めよ。

対称な文字には一時的に大小関係をつける

本問の \(\displaystyle x,y,z\) のような、対称な文字(入れ替えても式の値が変わらない、の意)には大小関係を付けるのがセオリーです。
こうすることによって、候補を絞りやすい時があります
今回は、記述をスリムにする目的で大小関係を付けます。

\(\displaystyle x≦y≦z\) としてみます。

仲間外れの文字に着目する

本問における仲間外れの文字は \(\displaystyle r\) ですね。

よくやるのは、仲間外れの文字以外を消すか、仲間外れの文字を消すか、です。

今回は、式が2つしかないので、\(\displaystyle x,y,z\) を \(\displaystyle r\) のみで表すことができません。
そこで、\(\displaystyle r\) を消去する策を採ります。

①を3倍して、②を代入してみます。そうすると、$$\begin{align}&~~~~~~&&3(x^2+y^2+z^2)=(x+y+z)^2+2\\&\Leftrightarrow&&2(x^2+y^2+z^2)-2(xy+yz+zx)=2\\&\Leftrightarrow&&(x^2-2xy+y^2)+(y^2-2yz+z^2)+(z^2-2zx+x^2)=2\\&\Leftrightarrow&&(x-y)^2+(y-z)^2+(z-x)^2=2~~~…③\end{align}$$となる。実数の2乗が0以上であることを考えれば、③より、$$(x-y,y-z,z-x)=(-1,-1,0),(-1,0,1),(0,-1,1)$$まで絞ることができます。

\(\displaystyle (x-y)+(y-z)+(z-x)=0\) であるから、(-1,-1,0)は除外されることがわかります。

答えの書き方が難しい

これ以上絞るのは厳しく、\(\displaystyle (x,y,z)\) の値は、定数 \(\displaystyle r\) を用いて表していくことになります。
\(\displaystyle (x-y,y-z,z-x)=(-1,0,1)\) すなわち \(\displaystyle (x,y,z)=(y-1,y,y)\)のとき、②に代入すると、\(\displaystyle y=\frac{1}{3}(r+1)\) となります。

よって、定数 \(\displaystyle r\) が 自然数 \(\displaystyle n\) を用いて \(\displaystyle r=3n-1\) と表すことができる、すなわち3で割ったら2余る自然数のときのみ \(\displaystyle x,y,z\) が整数となり、$$(x,y,z)=(n-1,n,n)$$となります。

同様に考えれば、\(\displaystyle (x-y,y-z,z-x)=(0,-1,1)\) のときは、\(\displaystyle r=3n+1\) と表せる、すなわち3で割ったら1余る自然数のときのみ \(\displaystyle x,y,z\) が整数となりますが、\(\displaystyle r\) と \(\displaystyle n\) は自然数ですから、\(\displaystyle r=3n-2\) としておかなければなりません。このとき、$$(x,y,z)=(n-1,n-1,n)$$となります。

あとは、\(\displaystyle (x,y,z)\) の大小関係を取り払えば大丈夫です。
(これやるの忘れがちなので注意!)

解答例

②を①に代入すると、$$x^2+y^2+z^2=\frac{1}{3}((x+y+z)^2+2)$$となるから、両辺3倍して整理すると、$$\begin{align}&~~~~~~&&3(x^2+y^2+z^2)=(x+y+z)^2+2\\&\Leftrightarrow&&2(x^2+y^2+z^2)-2(xy+yz+zx)=2\\&\Leftrightarrow&&(x^2-2xy+y^2)+(y^2-2yz+z^2)+(z^2-2zx+x^2)=2\\&\Leftrightarrow&&(x-y)^2+(y-z)^2+(z-x)^2=2~~~…③\end{align}$$となる。
ここで、\(\displaystyle x≦y≦z\)とすると、③より$$-\sqrt{2}≦x-y≦0~~,~~-\sqrt{2}≦y-z≦0~~,~~0≦z-x≦\sqrt{2}$$が成立するから、$$(x-y,y-z,z-x)=(-1,-1,0),(-1,0,1),(0,-1,1)$$が候補となる。さらに、\(\displaystyle (x-y)+(y-z)+(z-x)=0\) より、\(\displaystyle (x-y,y-z,z-x)=(-1,-1,0)\) は除外される。\(\displaystyle x\) や \(\displaystyle z\) を \(\displaystyle y\) を用いて表すと、$$(x,y,z)=(y-1,y,y),(y,y,y+1)$$となる。

(i)\(\displaystyle (x,y,z)=(y-1,y,y)\) のとき
②より、\(\displaystyle 3y-1=r~~~~\Leftrightarrow~~~~y=\frac{1}{3}(r+1)\)
よって、自然数 \(\displaystyle n\) を用いて \(\displaystyle r=3n-1\) と表せるとき、\(\displaystyle x,y,z\) は整数となり、$$(x,y,z)=(n-1,n,n)$$が得られる。

(ii)\(\displaystyle (x,y,z)=(y,y,y+1)\) のとき
(i)と同様に考えると、\(\displaystyle y=\frac{1}{3}(r-1)\)
よって、\(\displaystyle r=3n-2\) と表せるとき、\(\displaystyle x,y,z\) は整数となり、$$(x,y,z)=(n-1,n-1,n)$$が得られる。

∴ \(\displaystyle x,y,z\) の大小関係を取り払うと、(i)(ii)より、

\(\displaystyle n\) を自然数の定数とすると、
\(\displaystyle r=3n\) のとき、解なし
\(\displaystyle r=3n-1\) のとき、$$(x,y,z)=(n-1,n,n),(n,n-1,n),(n,n,n-1)$$
\(\displaystyle r=3n-2\) のとき、$$(x,y,z)=(n-1,n-1,n),(n,n-1,n-1),(n-1,n,n-1)$$

まとめ、あとがき

いかがだったでしょうか?

仲間外れの文字に着目するのがカギになります。

ご精読ありがとうございました!

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