こんにちは、めたぼザビでございます。今回は、マイクロ法人–設立後の手続編–についてお話しいたします。
法務局で設立登記が完了した後、行かなければならないのは以下の場所になります。
・管轄の税務署
・自治体の役所
・管轄都道府県税の事務所
・年金事務所
・ローカルの信用金庫
それぞれ分けてご説明していきたいと思っております。
なお、クラウド会計の特典に、設立後のサポートがある場合は、そちらを利用することを強くおすすめします。
RPGでいうと、プロローグのイベントを終えた後、武具屋行って道具屋行って魔法屋行く、みたいな感じです。
持っていく可能性のあるもの
履歴事項全部証明書
かつて「登記簿謄本」と呼ばれていたものです。
現在を含む3年以内の登記情報が書いてあります。
「謄本持ってきてください」と言われたらだいたいこれです。代表者の住所含め、あらゆる情報が書いてあるため失くすと後で大変なことになる恐れがあります。登記完了時に法務局でもらうカードを設置端末に突っ込むと発行できます。
cf.謄本は大きく3種ある
謄本を取得するとき、履歴事項全部証明書以外にも、
・現在事項全部証明書
・閉鎖事項全部証明書
が選択肢として出てきます。
前者は現在の情報のみ、後者は3年以前の情報がすべて載っています。
後者を利用するシーンは非常に限られるので、迷うのは履歴事項と現在事項になります。
基本的には現在事項の情報で問題ないのですが、たびたび履歴事項を指定される場合があります。基本的には履歴事項が「大は小を兼ねる」状態なので、履歴事項を発行することをおすすめいたします。
どこでだか忘れたけど、「今の情報載ってれば問題ないですよね?」と現在事項でゴリ押ししたことがあるんよ。履歴という言葉に騙されて現在事項を発行するミスは、今後ないようにしないと。。。
印鑑証明書
法務局に登録した会社代表印の証明書になります。履歴事項と同様、カードを端末に突っ込むと発行できます。
定款の写し
プリントアウトして製本する必要があります。面倒なので、各機関に電話して、定款が必要か否か聞いておくといいと思います。
代表者の身分証明書
基本的に必携です。
書類を準備したらまずは公的機関へGO
管轄の税務署
法人登記した地区を管轄する税務署に行きます。
場所は、下記サイトより確認できます。
https://www.nta.go.jp/about/organization/access/chizu.htm
提出する書類には期限が設けられているものがあり、早いやつで設立登記日(登記完了日ではない)から2ヶ月以内です。早めに行って書ける書類は全て書いてしまいましょう。以下、記入する書類をご紹介します。
法人設立届出書
基本的に全法人提出必須の書類です。この提出のときに、定款の写しが必要になります。製本して持っていきましょう。
青色申告の承認申請書
必須ではありませんが、ぜひ書いておくべき書類です。法人税の申告には、個人の所得税と同様に白色申告と青色申告があるのですが、やはり青色のほうがメリットが大きいです。どのみち帳簿はつけることになるので、どうせなら青色、という感じです。設立後3ヶ月経過後または決算日以後に提出すると第2期からの適用となります。
帳簿組織は、クラウド会計ですと、仕訳帳や総勘定元帳になります。
形態は電子、記帳の時期は通年、とでも書いておけばよいのかなと思います。
帳簿組織の名称さえきちんと書いておけば、他はぶっちゃけ正確でなくともなんとかなるかなと思います(保証はしません)。
給与支払事務所の開設届出書
これも厳密にいえば必須ではないのですが、書いておくべき書類です。
これを提出しておくと、税務署が定期的に源泉徴収税の納付書を送ってくれます。
この送られてくる納付書には、すでに法人の住所や名称、整理番号などが書かれているため、源泉徴収税の納付が楽になります。
本当に、お金を払わせることに関しては仕事が素早く正確です。
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
これもぜひ提出しておきたい書類です。
源泉徴収税は、本来毎月納めなければならず、給与が発生した翌月の10日が期限です。
しかし、これを提出することによって、上半期分をまとめて7月10日までに、下半期分をまとめて1月20日までに払えば済むため、めんどくささが大幅軽減されます。
これを提出できるのは、給与を受け取っている人数が常時10人未満の法人に限られる、という制限がありますが、マイクロ法人にはこのデメリットは関係ありません。
提出の翌月分の給与から適用されます。
他の書類はお好みで
他にも、「棚卸資産の評価方法の届出書」や、「減価償却資産の償却方法の届出書」というものがあります。
原則法にのっとれば提出する必要はありませんが、やり方を変えたい場合は届け出ましょう。
自治体の役所
ここでいう役所とは、区がある場合は区役所、区がない市民は市役所、村や町は役場、を指します。
住民税課(区民税課、市民税課など)に行きます。
ここでは、法人設立の届出を行うくらいです。
必要書類は、定款の写しや履歴事項全部証明書のうち片方または両方です。
自治体によってまちまちなので両方持参していくか、電話で聞くようにするとよいかと思います。
管轄都道府県税の事務所
北海道だと「道税事務所」です。
ここでも法人設立の届出のみになります。
年金事務所
税務署に次いで手続きに時間がかかる場所ですが、税務署に比べて圧倒的に親切なので、
「この度法人を設立したので社会保険に加入したいのですが」という魔法の言葉を唱えることで係の人がなんとかしてくれるはずです。MPも消費しません。
実は行脚せずに済みます
令和3年2月末から、マイナンバーカードを所持している代表者に限り、法人設立ワンストップサービスを利用し、オンラインで公的機関での手続きを終えることができます。
どのみちe-Taxで確定申告を行う場合に必要なため、持っておくとよいです。
詳しくは誘導に乗っかってみてくださいませ。
もっと早く導入してほしかったところです、ほんとに。
金融機関(信用金庫)へGO
法人名義の金融機関の口座開設を行います。
あらかじめ、法人の銀行印を作っておきましょう。
個人のそれと異なり、口座を持つだけで維持手数料がかかったり、ネットバンキングのサービスが別料金だったり、なんてことがありえます。
もちろん無料のところも多々あるので、無料のところを選べば事足ります。
ところがぎっちょん、辛いところはそれだけではありません。個人のそれと違い立ちはだかってくるのが、審査です。
まず、メガバンクは諦めましょう。マイクロ法人の場合審査が通りにくい上、口座維持手数料が高く、ネットバンキングも別料金、なんてザラです。見栄にしかなりません。
次に地銀ですが、これも審査が通らない可能性がなかなかある、らしいのでなかなかおすすめできません。維持手数料やネットバンキング別料金も普通にあり得ます。
法人の最寄が地銀だった場合、地銀で作りたいところ。ワンチャンを狙いましょう。「最寄りだから」という理由は、案外審査の好材料になるようです(経験より)。
ゆうちょ銀行はそもそも1300万円しか入金できません。法人の規模にはそぐわないかなと思います。
決して、審査を落とされた恨み節で言っているわけではありません()
信用金庫という名のメシア
そこで我らマイクロ法人の救世主になってくれるのが信用金庫になります。
無責任な物言いにはなりますが、まあ審査が落とされることはないでしょう。
個人名義に比べれば審査時間は長いですが、銀行に比べればそう長くないと思います。
わしゃ即日で作れたぞい!口座維持手数料もかからなかった。
最寄りの信用金庫とは限らない
例えば札幌に法人がある場合を例にとって説明してみます。
すすきのの創成川という川の近くに法人がある場合、「苫小牧信用金庫 札幌支店」が最寄りの信用金庫になりますが、苫小牧信用金庫は無論、苫小牧市向けの信用金庫なので、札幌に本社のある法人が最初に口座を開設する金融機関としては適切じゃないのかな、という気がします。
札幌ローカルの金融機関は「北海道信用金庫」(もと札幌信用金庫)になるので最寄りの北海道信金を探すことになります。
これが大通というエリアに存在するので、そこで開設することになります。
冒頭で「ローカルの信用金庫」と表現したのはこの辺りが理由になります。
ネット銀行は慎重に
マイクロ法人の利便性向上に、ネット銀行は欠かせません。
しかし、早まってはなりません。
仮に、証券をSBI証券で運用したとします。個人名義と異なり、証券口座のついでに住信SBIネット銀行の口座を申しこむことはできず、審査は別々で存在します。
そこで、住信SBIネット銀行の審査に落ちたら、どうなるか想像してみてください。
きっと地獄ですよね?
大事をとって、私は証券を開設した後にネット銀行を申しこみました。
証券会社にとって得意先である以上、系列のネット銀行の審査で落とすことは逆に難しくなるかなと考えたからです。
この辺の真偽は定かではありませんが、それくらい私にとってネット銀行の開設は重要なもので、慎重にならざるを得ませんでした。
ぜひゴム印を
法人名義の口座は、よく法人名のみの簡略表記がなされますが、正式には、
「 法人名 代表取締役 〇〇〇〇」までが名義です(合同会社の場合は代表社員)。
窓口銀行の場合、ことあるごとにこれを書かされるのでぜひゴム印を作っておくことをお勧めします。
私の法人は、信金、地銀、ネット銀行各1ずつ口座を開設しています。
ネット銀行が便利すぎて結局はゴム印作らずじまいです。
貸金庫の申込を推奨
法人を運営していると、様々な契約書を交わすことになるので、それを厳重に保管できる場所があれば望ましいです。
おあつらえ向きなのが貸金庫です。空きがあれば貸金庫を申しこんでみましょう。
まとめ、あとがき
いかがだったでしょうか?
当時の記憶をたどりながら書いているため、情報が間違えているかもしれません。
ご指摘いただければ幸いでございます。
次回のマイクロ法人の記事は、証券口座開設やインフラ開通についてです。
ご精読ありがとうございました!
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